ねこのふみふみ

吾輩は、ご近所の庭に母親と兄弟で住んでいたようです。
庭は高い塀で完全に囲われていて、親猫だけが外へ移動可能な、ある意味仔猫には安全な場所でした。
ある日、猫の存在に気がついた住人さんが庭の扉を開け、それに驚いた仔猫達が一斉に外へ逃げました。
しかし、一匹だけそこから逃げ損ねました。
それが我輩です。
再び閉じられた庭で、数日間必死に泣いてお母さんを呼んでいました。
(長時間扉をあけられない、猫が怖がって出ない等の複数の事情があった。)
塀の上を一、二度見に来たのを知っていますが、仔猫自身が塀をまたいで出ることもできず、お母さんは連れて行くこともできない。
結局あきらめたようでした。
そしてその後、吾輩の家族を見かけません。
以前お仕事で、猫の飼い主さんのお腹を猫がふみふみしているイラストを描きました。
『ふみふみするのは母乳を飲んでいた頃の名残です。』
という説明のイラストです。
吾輩はゲージのなか、毛布をふみふみ。
『あなたを母猫と思い、子猫のころのあたたかく幸せな気持ちを思い出しています。』
と説明は続きます。
己のイラストを見て何とも言えない気持ちになるとはなぁ・・・。

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